懇意にしている寺の住職から勧められた居酒屋赤兎馬(せきとば)。店は犀川沿いの景観の素晴らしい場所にある。犀川はもともと品格に満ちた川だが、犀川大橋と桜橋の間が特にその美しさが際立っているように思う。赤兎馬はそのド真ん中あたりの河畔にある。朝の散歩コースには打ってつけだが、惜しいことに夜の飲み歩きコースからはわずかだが外れている。金沢随一の繁華街、片町からほど近いのに、人々の回遊動線の圏外。それはこの店の常連客にとってはむしろ嬉しいことなのかも知れない。

赤兎馬とは店主はきっと三国志のファンに違いないと思って入店したのだが、なんと元日本チャンピオンの伝説のレーサーだった。しかも横浜ケンタウロスの初期のメンバー。それで赤兎馬ってわけだ。中国の歴史談義するつもりがバイク談義になってしまった。

店主は横浜出身で人生経験が豊富というか、話を聞いてるだけで目が回りそうになってくる。まるで冒険活劇の主人公そのもの。金沢のゆっくり流れる時間が好きだそうだ。横浜時代の一日は金沢の10日分に相当するとも言っていた。濃すぎる過去を金沢で薄めて帳尻を合わせようとしているようにも思えた。私も同じ時代の横浜で暮らした経験があるが、それにしてもつながる話が多いこと多いこと。こんな店を紹介してくれた和尚さんに感謝しなくてはならない。

 

赤兎馬 (せきとば)
076-224-3650
石川県金沢市中川除町60 サインポスト 1F
営業時間
月~土 17:00~23:00(L.O.22:30) 日 17:00~21:00(L.O.)
定休日:水曜日