Iさんのおかげで開眼でき新境地に入ることができたことを一つだけ言わせて下さい。 とある勉強会で英語の発音がテーマになった時に、私の隣にいたネイティブレベルの英語を話すことで有名な先生がボソッと呟いたのです。 「口の形や舌の位置はさほど重要ではない。そんなことよりもずっと重要なのは喉の使い方だ」 私はかねてからネイティブスピーカーが日本の英語教材にあるような口の形になっていないことに気が付いていましたが、それがなぜなのか自分で答えが出せずにいました。 数日前には中国人の学者が「日本人に共通する“病気”はgirlの発音ができないことだ」と言い、実際に日本人の発音をマネして見せ、その上で正しい発音を披露していました。 その場に居合わせた錚々たる日本人の英語教師たちは誰もがポカンとした顔をしていました。 私はすかさず「That’s not the problem of pronunciation. That’s the problem of voice.」と言いました。それに対しても大きく頷いたのはその中国人学者だけでした。 Girlの発音はə́ːですが、これは元々日本語にない発音です。ですが、この発音を出すのにより重要なのは発声です。 我々日本人はたかがgirlの発音を出すのに二つのハードルを越えなければならないのです。 ちなみに中国人はそもそも中国語の中にこの二つの発声と発音があるので難なく発することができるのです。 発音は発声を土台として成り立ちます。それなのに日本ではその土台作りを疎かにして発音ばかりに時間を割いてきました。 私はそのような状況を「言語音声学における砂上の楼閣」と呼ぶようにしています。これは私が作った造語です。 「言語音声学における砂上の楼閣」は日本における英語学習者の99%に蔓延していると思います。 叱責を覚悟で言うならば、NHKの日本人講師陣の大半も「言語音声学における砂上の楼閣」であり、日本の英語教育における犠牲者たちです。 日本語は英語の対極にあります。そんな日本人が英語を学ぶ際には様々なハードルを乗り越えなければなりません。 将棋に例えるならば、飛車角抜き、金銀馬槍が一つずつ欠けているようなものです。ちなみに中国人は恐らく槍が一つと歩が三つほど欠けているくらいのものです。 私は飯田さんのおかげで新境地に足を踏み入れることが出来ました。 この新境地の中をどんどん開拓していって新たな英語学習法を確立していこうと思っています。それと同時にその学習法を中国語にも活用させようと思っています。 中国語の発音は日本人にとって英語よりもより難しいものなのです。 朝早くからとりとめもないことばかり話して申し訳ありません。2019年12月26日